“稽古の前の稽古”として
今日、ここで、稽古する
本プロジェクトでは、HIxTOが各地に出向き、その土地で参加するダンサーや表現者とともに、クリエイションや交流を行います。身体表現の可能性やその先について、「ここで」の意見交換を目指しています。
【ダンサーや俳優の舞台上で出来事化するまで】
わたしたちは「モノ」ではなく「状態」に出会いたい。関わりの連続で身体によりデザインされてく身体的なパフォーマンスが、立ち会った者の意識の中に何か意味をもたらすことなのであれば…、
HIxTOの、他者、からだ、感情、音楽、コミュニケーション、関わりによる"心体表現"、感情を無視しない。
これは本番を想定した稽古ではなく、稽古を行うために必要な感覚的な部分を探求するための
“稽古のための稽古”の時間。
2026/11/7 宮古島 Miyakojim
予約・詳細 Coming soon!
2026/4/24 福岡 Fukuoka
120分 15人 気温16℃
2025/11/11 札幌 sapporo
105分 14人 天気 雪
記録
-2025.11.11
-今日、ここで、稽古する in札幌を終え
川上 真
あの日、あの空気に触れて、からだで冷たいにおいを感じた。冷たい風が、自分の輪郭をなぞっていく。
あの場所だったから生まれた感覚を、ただ素直に表現したいと思った気持ちが、
自分の感性や創りたい気持ちを静かに動かしていった。
そこで交わした時間と言葉が、やがて身体の記憶となり、自分のなかに溶けていく。
終わってからふと
あの日、あの場所にいたことが、確かに自分の中に残っている事を思い出した。
きっとこれからまた別の場所で また、新しい誰かと出会う。
そのたびに生まれる感覚が、自分の体温となって、からだの中に重なっていくんだろう。
過ぎた時間とこれからの時間が 体の中でつながっていくんだろうと考えて、胸の奥があたたかくなる。
これはきっと、何度も思い返したくなる時間になる。この感覚がこのクリエイションの醍醐味なのかもしれない。
やってみて、終わって、それが体の中に、心の奥に馴染んできて初めて気づいた。
思い出すたび、その瞬間が、生きていることを 何度でも思い出す。
黒田健太
テキスト1
北海道 札幌市 20:07
雑居ビルの部屋から見える札幌の街には雪が積もっている。
床に敷かれたリノリウムに外光が跳ねてきらきらする。
ここにいる人間たちの呼気と運動によって室内の温度が上昇する。
ガラスが曇って外の景色は曖昧になり、外がもう少し遠い場所に感じられる。日々負っている社会的な役割は薄れていってただ違う人間の身体がいくつもある。だからここでは社会のルールが宙づりになる。大の大人が20は歳下のダンサーの前で無防備に身体を晒す。社会的なパワーバランスを一時的に脇に置いて、目の前にいる人との向き合い方が問われる。
この場所では思い出さない。かつての記憶は遠のいて今、ここになる。それまで仕事場で、家庭で、SNSでいろんな場所で同時に生き抜いてきたわたしがこの身に帰ってくる。おかえりなさい ただいま。
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テキスト2
身体をしこたま床に打ちつけて痛みで震える。力が入りすぎだ。この場での自分の立ち位置を証明しようとして、意志によって身体を動かしてしまう。それでも、他のダンサーの動きによってすこしずつ武装が解かれていく。ここではわたしは主人公ではない。いつも誰かが、わたしが何者かを思い知らせてくれる。
簡単に人と繋がっていると思うな。
その声が、人と繋がりたいという意志を焚きつける。それは同時に他者への恐怖も思い出させる。こわい。
すぐうしろに別の身体がある。そのことだけを手がかりにできる。そんなことできるはずがないのに、背中側の見えてない場所で生きている人間を感じる。わかる。こわさのなかで手触りがある。世界はおそろしい、けれどそれだけではない。今日はそう思える。