
flow CREATION NOTE
クリエイション ノート
漫画家・手塚治虫の名作「火の鳥 黎明編」を
コンテンポラリーダンスと言葉で舞台化。
バレリーナに心を奪われペンを走らせた手塚のように、
我々ヒクトは、舞台上に身体を走らせる。
この 時代を生きる身体のフロー(流れ)は、
舞台上で私たちの確かな存在の在り方をダンスする。
今を生きるわたし、あなた、わたしたちにとって
「火の鳥」とは何だろうか。

フロー
演劇 × ダンス HIxTO 新作舞台
構成・演出・振付 庄 波希

ナギ ・・・ねえ、グズリ、なぜにんげんはしぬの?
グズリ いのちがなくなるからだ。
ナギ いのちがなくなったあとは、どこへいく
グズリ 土にかえる。
ナギ 土にかえるなんてつまらない。
おれはしなないからだがほしい。
だから、火のとりをつかまえる。
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庄 波希 : 構成・演出・振付
演出家、ダンサー、HIxTO 代表。1995 年宝塚市に生まれる。幼少期にダンスを始め、大阪芸術大学舞台芸術学科を卒業。 罹病体験をキッカケに、身体表現を手段とした生きるを問う作品を創作する。
このたびは本公演『flow 手塚治虫「火の鳥」より』にお越しいただき、誠にありがとうございます。 私は兵庫県宝塚市で生まれ育ち、幼い頃から手塚治虫さんの作品に親しんできました。なかでも『火の鳥』は、生命の根源に触れるような問い が散りばめられた、特別な存在です。漫画内で争いの中、ナギが「おれは死にたくないだけなんだーッ」と叫ぶシーンがあります。この無垢な 叫びに触れたとき、私の中に流れ続けている「命」というテーマや手塚作品の問いは、私たちの身体をフローさせ、ダンスさせ、舞台芸術を創 造させる。その衝動が、この作品を創るきっかけとなりました。 命はやがて血に還り、血はまた次の命へとつながっていく。抗えない「流れ(flow)」の中で、私たちは生まれ、生き、そして去っていきます。 この作品では、その「流れ」や、人生に向き合う姿勢を、言葉と身体を通じて描いていきます。舞台上のさまざまな出来事(シーン)は、すべ て「命」というひとつの源にたどり着くための断片であり、祈りでもあります。『火の鳥・黎明編』の物語世界にインスパイアされながら、私 はこの作品を、「いま」を生きるあなた、そして私自身の物語として立ち上げたいと創作しました。
本日はどうぞ最後までごゆっくりお楽しみください。
公演当日パンフレット より












































